- 結束を高く感じる女性ほど欠席や遅刻が少ないという関連が報告されています。
- 関係づくりを工夫した集団では、普通の教室より出席が増えた試験があります。
- 普通の教室と、連絡を伴う自宅運動では差が出なかった研究の統合もあります。
- 自宅運動の継続が上回った試験もあり、通う手間と関わり方の両方が判断材料です。
- 仲間への遠慮で休息や予定の調整をしにくいなら、参加の仕方を見直す合図です。
仲間と通うとキックボクシングは続くのか|集団の結束と運動継続の研究
キックボクシングを趣味にしようと考えたとき、知り合いと一緒なら通えそうと思う一方で、輪に入れるかが気になる人もいるでしょう。仕事や家の用事で予定が変わりやすいと、仲間との約束が励みにも負担にもなります。仲間のいる教室は、一人で通ったり自宅で動いたりするより続けやすいのでしょうか。研究で出席の増加が示されているのは、集団の関係づくりを工夫した場合であり、人が集まる場所を選ぶだけで継続が決まるわけではありません。
手掛かりになるのは、運動教室の結束と出席を調べた研究です。結束とは、参加者がその集団にまとまりやつながりを感じることを指します。親しい友人がいることに加え、同じ目的で動ける、そこに参加する意味を感じる、といった面を含みます。自宅で運動していても誰かと連絡を取り合う方法があり、運動する場所と人とのつながりは別々に考えられます。
趣味として続けるなら、友人の数より、予定に合うか、休んだあとに戻りやすいかを見るほうが具体的です。出席の研究を読むときも、何と比べた結果なのかに目を向けましょう。自分に合う関わり方を探すために、教室のまとまりと日常の負担を並べて考えていきます。
要点
- 結束を高く感じる女性ほど欠席や遅刻が少ないという関連が報告されています。
- 関係づくりを工夫した集団では、普通の教室より出席が増えた試験があります。
- 普通の教室と、連絡を伴う自宅運動では差が出なかった研究の統合もあります。
- 自宅運動の継続が上回った試験もあり、通う手間と関わり方の両方が判断材料です。
- 仲間への遠慮で休息や予定の調整をしにくいなら、参加の仕方を見直す合図です。
仲のよさと、運動を続けるための結束は少し違います
「仲間がいれば続く」という言葉から、運動の前後ににぎやかに話す場面を思い浮かべるかもしれません。けれども、教室で研究される結束には、人づきあいへの魅力と、一緒に運動することへの魅力が含まれます。会話を多く交わさなくても、同じ目的で参加し、落ち着いて練習できる場所だと感じることはあります。趣味の仲間を探すときは、親密さだけでその場との相性を決めない見方が役立ちます。
Spink(1992)は、運動教室に参加する女性について、集団の結束と欠席・遅刻の関係を調べました。欠席や遅刻が少ない人ほど、集団の活動面と人間関係の面に魅力を感じていたという結果でした。教室とのつながりを感じることと、実際に足を運ぶことが結びついていたのです。これは、もともとの友人と一緒に入る必要があるという話とは違います。
たとえば、知り合いがいなくても、参加したときに自然に迎えられ、練習の目的を共有できる場を考えてみましょう。反対に、友人と一緒に通っていても、相手の都合が合わない日は自分も休む形なら、約束が参加の条件になります。どちらが自分の生活に合うかは、交流の量だけを見ても決まりません。「一緒にいると動きやすい」と「一緒でなければ行けない」を区別すると、仲間に望む役割がはっきりします。
出席を数えることにも意味があります。仲よくなったという感想と、通い続けたという行動は別の記録だからです。結束についての質問にどう答えたかだけでなく、実際の参加がどう変わったかを読むことで、研究の焦点がわかります。自分の記録でも、会話が弾んだ日だけでなく、静かに参加して予定どおり帰れた日を続けやすさの材料にできます。
関係づくりを加えた試験では出席が増えました
結束の研究には、参加者の感想を調べるものに加え、集団づくりの工夫を実際に加えて比べるものがあります。Estabrooks(1999)の高齢者を対象にした研究では、チームづくりを行った組の出席が、対照の組とプラセボの組より多くなりました。プラセボの組とは、比較のために別の働きかけを受ける組です。さらに、10週間の休止後に戻った割合も、チームづくりの組が対照の組を上回りました。
Beauchamp(2018)のGOAL試験は、627人、平均71.6歳、女性71.0%の高齢者を対象とした無作為化比較試験でした。これは、くじ引きのように参加先を割り当てて比べる方法です。同年代で構成し、集団としてのつながりを育てる工夫をした組を、年代が混ざる普通の集団運動と比べました。同年代の男女混合の組と、同年代で性別もそろえた組の両方で、出席を続ける程度が高かったという結果でした。
Beauchamp(2018)では、普通の集団運動との差を示す効果量は、同年代の男女混合の組で12週時点がd = .51、24週時点がd = .47でした。性別もそろえた組では、12週時点がd = .28、24週時点がd = .29でした。効果量は、集団間の差をデータのばらつきを物差しにして表す数で、出席率そのものではありません。数字を出席が増える割合に読み替えず、比較した組との隔たりとして受け取ります。
これらの試験が注目したのは、参加者を同じ部屋に集めることから先の工夫です。教室選びに引き寄せるなら、初めての人が参加しやすい進め方や、共通の目的が伝わる関わり方を見る視点になります。友人を連れて行くことだけを条件にせず、その場で関係を築ける余地を見るのです。とくに休止後の復帰という結果は、休まないことばかりでなく、途切れたあとに戻る道筋にも目を向けさせます。
普通の教室と自宅運動では、比較の条件が大切です
教室のほうが続くという結果を読んだら、比較相手にどんな支援があったかを確かめたいところです。Burke(2006)のメタ分析は、複数の研究をまとめて結果を計算し直したもので、44研究に含まれる214の効果量を扱いました。結束を育てた集団は普通の運動教室より優れていましたが、普通の教室と、連絡を伴う自宅運動には差がありませんでした。また、連絡を伴う自宅運動は、連絡のない自宅運動より優れていました。
| 継続についての見方 | 集団と自宅運動の比較結果 | 比較条件 | 参加者・出典 |
|---|---|---|---|
| 同じ場に集まれば続く | 結束を育てた集団の成績が上 | 普通の運動教室 | 一般の身体活動研究をまとめたBurke(2006) |
| 教室は自宅より有利 | 普通の教室と差が出なかった | 連絡を伴う自宅運動 | Burke(2006)の研究統合 |
| 自宅では支えを得られない | 連絡を伴う方法の成績が上 | 連絡のない自宅運動 | Burke(2006)の研究統合 |
| 自宅から始めるほうが残りやすい | 施設から始めた組の残る割合が高かった | 自宅から始めた組 | 運動習慣のない女性を調べたCox(2003) |
Cox(2003)の試験は、運動習慣のない40〜65歳の女性126人を対象に、施設から始める方法と自宅から始める方法を比べました。プログラムに残った割合は、6か月、12か月、18か月で施設側が97%、94%、81%、自宅側が87%、76%、61%でした。6か月時点で運動計画を実行した程度も、施設側84%に対し、自宅側63%でした。ここでは、通い始めの方法を含めたプログラム全体の比較が行われています。
同じ「続いた」でも、プログラムに残ることと、予定した運動を実行することには違いがあります。名簿に残っていても運動の機会が少なくなることはあり、教室を離れて別の場所で動き続けることもあります。趣味としての継続を考えるときは、所属先だけでなく、生活の中に運動が残っているかを見るとよいでしょう。集団か自宅かという場所の比較に、連絡や始め方の条件を足すと、結果を読み取りやすくなります。
自宅が上回る結果と、小さな関連もあります
長く続ける場として、教室が有利になる結果ばかりではありません。King(1991)は、50〜65歳の健康な男女357人を対象に、集団で行う運動と自宅で行う運動を比べました。12か月の運動継続は、自宅で行う運動の組が集団の組より良好でした。仲間と同じ場所で動く方法だけを、継続の正解とする見方を見直す結果です。
Perri(1997)の肥満のある女性49人を対象とした試験でも、12か月時点の運動参加と治療プログラムへの取り組みは、自宅の組が集団の組を上回りました。対象は肥満の治療を受ける女性であり、運動を趣味にする人だけを集めた試験ではありません。Cox(2003)の施設から始める方法に有利な結果と合わせて読むと、対象者やプログラムの組み立てによって優劣が変わることがわかります。教室と自宅という名称が同じでも、比較している条件まで同じとは限らないのです。
友人の支えについても、Scarapicchia(2017)の系統的レビューは控えめな結果を示しています。系統的レビューとは、決めた条件で研究を探してまとめる方法で、この研究では健康な成人をその後まで追った報告を扱いました。支援と運動量の関係は研究ごとに方向も強さも異なり、統合すると友人からの支援と将来の運動量には小さな正の関連がありました。励ましを得られることは材料になりますが、それだけで生活の中の障害が解消するわけではありません。
ここには留意したい読み方があります。結束と出席の観察研究には、仲間がいるから通ったという説明に加え、よく通ううちに関係が深まったという逆向きの説明が残ります。人づきあいを好む人や予定の合う人が、その教室を選んで残る自己選択の影響もあります。したがって、結束を高く感じる人の記録だけから、集団に入れば自分も同じように続くと予測することはできません。
仲間の存在が負担になる場面を見落とさないために
関わり方を選ぶときは、応援される場面と、遠慮してしまう場面を具体的に思い浮かべましょう。友人と約束すると出かけやすい人もいれば、予定変更を伝えることが重荷になる人もいます。仕事や家族の用事が読みにくい人にとっては、同じ時刻に集まる条件が負担になります。自宅運動が上回った試験を、こうした生活上の手間を点検するきっかけとして読むと、選択に使いやすくなります。
以下は研究で測った害の頻度ではなく、参加の仕方を考える際の点検項目です。仲間を待たせたくないために休息を後回しにする、周囲に合わせてきつさを言い出せない、痛みがあっても途中で止まりにくい、といった場面は避けたいところです。関係を保つために体調を隠すなら、つながりの持ち方を変える理由になります。出席を増やすことと、体への負担を適切に調整することは、両方を満たす必要があります。
人との会話で疲れやすい人や、自分のペースで静かに動きたい人には、交流を強く求められる集団は合いにくいでしょう。参加後のつきあいまで当然とされると、運動以外の時間も必要になります。一方、挨拶だけで気持ちよく参加できる場なら、親しい友人を作ることを目標にしなくても通えます。結束を大切にすることを、全員と親しくする義務へ変えないのが大切です。
友人と始める場合は、欠席の判断をそれぞれが行えるかを話しておきましょう。相手が休む日は自分も休むのか、別々に参加してもよいのかを決めると、運動の予定を自分で扱えます。自宅で動く方法なら、連絡が励ましになるのか、報告の義務になるのかを確かめます。休んだ理由の説明を細かく求めないなど、負担を増やさない関わり方を選ぶこともできます。
通う前と、通い始めたあとで確かめること
キックボクシングを趣味にするための選択では、最初から仲間づくりを完成させる必要はありません。まず、生活に置ける運動の時間と、人との関わりに望むことを書き出してみましょう。「声をかけ合いたい」「練習中は集中したい」「休んでも気まずくなりたくない」など、具体的な言葉が役立ちます。教室のにぎやかさだけで決めず、自分が参加する場面を想像するための準備です。
- 開始前に、移動と支度を含めて生活に収まるかを確かめる。
- 友人と通う場合は、それぞれの都合で休めるかを話しておく。
- 参加後は、行けた理由と行けなかった理由を短く記録する。
- 人との関わりが助けになった場面と、負担だった場面を分けて残す。
- 休んだあとには、戻る際に困ったことがあったかを見直す。
記録には、出席したかどうかに加え、移動、予定、体調、関係のどこに負担があったかを書きます。「続かなかった」とだけ書くより、仕事が延びたのか、誘われるのが気重だったのかを分けるほうが次の調整につながります。仲間との約束が助けになった日は、その内容も残しましょう。人づきあいが得意か不得意かという性格の評価にせず、その場の条件を見直すための記録にします。
見直した結果、移動が負担なら、参加できる時間帯や自宅で動く機会を考えられます。交流の負担が大きいなら、練習中だけ関わる方法や、連絡の取り方を変える方法があります。支えがほしいなら、運動する場所はそのままに、近況を話せる相手との関係を考えてもよいでしょう。Burke(2006)の比較は、場所と連絡の有無を分けて見る、この視点を支えています。
結束があるかを、入った日に判断し切る必要もありません。顔を合わせるうちに落ち着く場所になることもあるため、実際の参加と負担の変化を見ます。休んだあとの戻りやすさまで含めて考えると、続け方の選択肢が広がります。仲間のいる日と一人で動く日の予定を、生活の中でいつ試しますか。
よくある質問
友人がいなくても、教室を選ぶ意味はありますか
友人同士で入ることと、参加先に結束を感じることは別です。Spink(1992)の研究が扱ったのも、女性の参加者が教室の活動や人間関係に感じる魅力でした。まずは、静かに参加できるか、初めての人も練習に入りやすいかを見てみましょう。親しい関係を急いで作るより、自然に足を運べる条件を探すことが出発点になります。
自宅で動くなら、誰かへの報告が必要ですか
Burke(2006)では、連絡を伴う自宅運動が、連絡のない方法より良好でした。自分の続け方を考える際には、連絡を負担の少ない支えとして使う視点が役立ちます。毎回の報告を義務にするより、困ったときに話せるなど、自分が望む関わり方を考えてみましょう。連絡を続けることが運動より重荷になっていないかも、振り返る項目です。
休むと仲間に悪いと感じるときは、どう考えればよいですか
趣味の運動では、参加することと休むことを自分で調整できる関係が大切です。友人には、予定や体調によって別々に参加することもあると、先に伝えておく方法があります。休んだ理由を細かく説明し続ける形が負担なら、連絡の仕方も見直せます。仲間との関係を続けるために、痛みや疲れを我慢して出席する必要はありません。
この記事の限界
取り上げた研究は海外の一般運動が中心で、カナダの高齢者を対象にしたGOAL試験や、中高年、肥満の治療に取り組む女性など、参加者の背景が偏っています。追跡期間も短いものから長期まで異なり、結束そのものと出席の因果関係の確実性は、観察研究と介入試験で違います。成人女性の打撃系フィットネスで、結束を育てることが継続を高めるかを直接調べた研究は見つからなかったため、運動一般からの手掛かりとして読む必要があります。出席の改善を、けがや痛みなどの有害事象が少ない証拠にもできません。持病や手首・腰などの痛みがある人は、参加できる運動の範囲を医師に相談してください。仲間との約束も、その範囲を守って参加できる形にしておきます。
参考文献
- Spink. Group Cohesion and Adherence in Exercise Classes. Journal of Sport and Exercise Psychology. 1992;14(1):78-86.
- Estabrooks. Group cohesion in older adult exercisers: prediction and intervention effects. Journal of Behavioral Medicine. 1999;22(6):575-588.
- Burke. Group versus individual approach? A meta-analysis of the effectiveness of interventions to promote physical activity. Sport & Exercise Psychology Review. 2006;2(1):13-29.
- Beauchamp. Group-based physical activity for older adults (GOAL) randomized controlled trial: Exercise adherence outcomes. Health Psychology. 2018;37(5):451-461.
- Cox. Controlled comparison of retention and adherence in home- vs center-initiated exercise interventions in women ages 40-65 years: The S.W.E.A.T. Study (Sedentary Women Exercise Adherence Trial). Preventive Medicine. 2003;36(1):17-29.
- King. Group- vs home-based exercise training in healthy older men and women. A community-based clinical trial. JAMA. 1991;266(11):1535-1542.
- Perri. Effects of group- versus home-based exercise in the treatment of obesity. Journal of Consulting and Clinical Psychology. 1997;65(2):278-285.
- Scarapicchia. Social support and physical activity participation among healthy adults: a systematic review of prospective studies. International Review of Sport and Exercise Psychology. 2017;10(1):50-83.
汗が落ちる溶岩の床の上で、最初のジャブを構えてみる
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よくある質問
友人がいなくても、教室を選ぶ意味はありますか
友人同士で入ることと、参加先に結束を感じることは別です。Spink(1992)の研究が扱ったのも、女性の参加者が教室の活動や人間関係に感じる魅力でした。まずは、静かに参加できるか、初めての人も練習に入りやすいかを見てみましょう。親しい関係を急いで作るより、自然に足を運べる条件を探すことが出発点になります。
自宅で動くなら、誰かへの報告が必要ですか
Burke(2006)では、連絡を伴う自宅運動が、連絡のない方法より良好でした。自分の続け方を考える際には、連絡を負担の少ない支えとして使う視点が役立ちます。毎回の報告を義務にするより、困ったときに話せるなど、自分が望む関わり方を考えてみましょう。連絡を続けることが運動より重荷になっていないかも、振り返る項目です。
休むと仲間に悪いと感じるときは、どう考えればよいですか
趣味の運動では、参加することと休むことを自分で調整できる関係が大切です。友人には、予定や体調によって別々に参加することもあると、先に伝えておく方法があります。休んだ理由を細かく説明し続ける形が負担なら、連絡の仕方も見直せます。仲間との関係を続けるために、痛みや疲れを我慢して出席する必要はありません。